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ジョージ・オーウェルの小説「1984」(無料公開)を今さら読んでみた【あらすじ・感想】

1984

ディストピア小説の金字塔といえるジョージ・オーウェルの1984を今さらながら読んでみました。

古い小説であり、設定も1984年と古いこともあり、何となく敬遠していましたが、ネットで無料で公開されているのを見付けたのがきっかけです。

そしたら、まったく時代遅れということもなく、引き込まれました。気分が落ち込むような重たい内容ですが、読み応えがありました。

あまりに有名なので必要ないかもしれませんが、この小説の概要や感想を備忘録的にまとめました。

目次

1984について

1984の概要

1984はイギリスの作家ジョージ・オーウェルの小説で、1949年に刊行。
全体主義国家によって分割統治された近未来世界の恐怖を描いています。

世界的に売れ、今に至るまで文学や思想、音楽など様々な分野にわたって影響を与え続けており、たびたび映像、舞台化されてきました。
また、政府による監視や検閲や権威主義への批判の際に、しばしば引用されています。

1984のあらすじ

「ビッグ・ブラザー」が率いる独裁党が国を支配し、国民は全体主義、超監視体制の下で暮らしていた。
ウィンストン・スミスは下級役人として歴史の改ざんに従事していたが、奔放な美女ジュリアと出会ったのを機に反政府地下活動に惹かれ、ささやかな抵抗を始めるようになる。

1984は無料で読める 

以下のサイトでH.Tsubotaさんの翻訳が公開されています。
横書きで、スマホでも読みやすかったです。H.Tsubotaさん、ありがとうございました。
【日本語訳】一九八四年(Nineteen Eighty-Four)~実験記録

同じくH.Tsubotaさん翻訳のKindle版もあります。(99円)
一九八四年 Kindle版

ジョージ・オーエルは1950年に亡くなっており、死後70年以上経っています。
日本は著作権保護期間が70年で、イギリスも同様ではないかと思います。
そうだとすると、保護期間は過ぎているはずですが、青空文庫には入っていません。

翻訳者の著作権について、H.Tsubotaさんのこんなツィートがありました。

また、「動物農場」などジョージ・オーウェルの他の作品の翻訳も前述のサイトで読めます。【日本語訳】動物農場(Animal Farm)

1984を読んだ感想

1984

30年以上前に書かれているが古さを感じないのは、人間の内面が丹念に描き込まれているからだと思います。そのため、冗長に感じられる方もいるかもしれません。

スマホやインターネットは登場しませんが、「テレスクリーン」と呼ばれる双方向テレビジョンや盗聴などによる絶対的な管理社会、徹底的な洗脳、拷問は、今の私たちの社会でも決して絵空事とは言えない内容ではないでしょうか。

特に怖かったのは、国民同士による監視と密告。古くは江戸時代の5人組、最近では自粛警察などを連想しました。
この小説では、子供が親の行為を密告するといった家族同士の監視まで究極化していました。

また、主人公のウィンストン・スミスは党員として歴史の改ざんを仕事としてました。国家にとって都合の悪いことはなかったことにするのです。
これも、福島原発事故のアンダーコントロール発言、財務省の森友文改ざん問題など様々な政府の隠蔽体質を思い起こさせました。
そのほか、中国のウィグル自治区への弾圧など、現在の世界情勢とも重なる内容が多かったです。

しかし、この小説で私が最も読みごたえがあると感じた部分は、主人公の内面の変化です。
心情的に家族と分断され、空虚な心で惰性のように生きていた主人公が、ジュリアとの出会いをきっかけに変化し、真実を求め行動するようになります。
しかし、最後はとらえられ、過酷な拷問と洗脳。自分の判断や信念までを疑うまでに追い込まれます。
ちょっと飛躍しすぎていると感じられる部分も少なくありませんが、洗脳の怖さが見事に描かれていると思います。

ジュリアとの出会い後の中盤がスリリングで期待感が広がるだけに、ハッピーエンドを期待するとがっかりさせられるかもしれません。

特徴的な用語の紹介

1984には、全体主義国家の特徴を示すような独特の用語が出てきますので、一部をご紹介します。

オセアニア (Oceania) 
物語の舞台になる第三次世界大戦後の超大国
世界ではオセアニア、ユーラシア、イースタシアの三大大国が戦争を続けている。

ビッグ・ブラザー
「オセアニア」に君臨する独裁者
ポスターやテレスクリーンには描かれるが本人は登場しないでの、架空の人物かどうかは明らかではない。

テレスクリーン
双方向テレビジョン。国家による監視装置の一つ。

イングソック
党のイデオロギー。一種の社会主義。

党のスローガン
3つのスローガンが小説の随所で出てきます。
・戦争は平和である (WAR IS PEACE)
・自由は屈従である (FREEDOM IS SLAVERY)
・無知は力である (IGNORANCE IS STRENGTH)

ニュースピーク
英語を簡素化して成立した新語法。
語彙の量を少なくし、政治的・思想的な意味を持たないようにする狙い。

ダブルシンク(二重思考)
1人の人間が矛盾した2つの信念を同時に持ち、同時に受け入れることができるという、オセアニア国民に要求される思考能力。

ダブルスピーク(二重語法)
矛盾した二つのことを同時に言い表す表現。
例として、「戦争は平和である」という党のスローガン。

2足す2は5である
この小説を象徴するフレーズの一つ。
党が客観的事実までも支配することを表している。

プロレ
プロレタリアの略。人口の大半を占める被支配階級(下層階級)の労働者たち。

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