1万6千冊以上の蔵書があるオンライン図書館の青空文庫
著名な作家の名作が誰でも無料で読めるおすすめ図書館です。
日本文学だとかなりの数の作家の作品が収録されています。
今回は、青空文庫で読むことができる日本文学のおすすめの作家21人と小説を中心とした作品をご紹介します。
※作家の名前や作品名は青空文庫の記述に沿っています。
※掲載順はあいうえお順です。
海外作品は以下のの記事をご覧ください。
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青空文庫とは
青空文庫はネット上の電子図書館で、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品を電子化して公開しています。
日本や海外の著名な作家や歴史的な作品などを誰でも無料で読むことができます。
1997年7月にスタート。収録作品はボランティアの手によりテキストファイルやHTMLとして電子化されています。
収録作品数は、2021年8月22日時点で、16682(著作権なし:16322、著作権あり:360)に上ります。
青空文庫を読むには
青空文庫の公式サイトにアクセスして作品を選び、ブラウザ上で直接読むか、ダウンロードしたものをアプリを使って読むことができます。
公式サイトでは、ブラウザ用の2種類のリーダーが用意されていて縦書きで読むことができます。
また、青空文庫用のアプリも多数リリースされており、Kindleでも読むことができます。
ダウンロードデータ(テキストファイル、XHTMLファイル)は横書きですが、アプリなどを使うと縦書きで読むことができます。
青空文庫に収録~おすすめの作家と作品(日本文学)
ここでは、誰もが知っている有名作家とその作品をリストアップしました。
後世に読み継がれている名作ぞろいなので、まだ読んでいない方はぜひ読んでみましょう。
それでは、作家別に収録作品をご紹介します。
※名前の記述は青空文庫の記述に沿っています。
各作家・各作品は、青空文庫のインデックスで「作家別」「作品別」から探して読むことができます。
芥川 竜之介
芥川 竜之介(あくたがわ りゅうのすけ・1892-1927年)
1916年、東京帝大在学中に発表した「鼻」が夏目漱石に評価され、文壇に登場。
卒業後、海軍機関学校の嘱託教官として英語を教える傍ら、「芋粥」、「奉教人の死」、短編集「羅生門」などを発表しました。
海軍機関学校を辞職後、大阪毎日新聞社社員として文筆活動に専念。
強度の神経衰弱に陥り、「唯ぼんやりした不安」を動機として、36歳で自殺しました。
作品の多くは短編小説で、「今昔物語集」「宇治拾遺物語」などの古典から題材をとったものが多く、「蜘蛛の糸」「杜子春」など児童向けの作品も発表しています。
青空文庫の芥川 竜之介 収録作品
以下の作品など378作品です。
- 「羅生門」(1915年)
- 「鼻」(1916年)
- 「戯作三昧」(1917年)
- 「地獄変」(1918年)
- 「奉教人の死」(1918年)
- 「杜子春」(1920年)
- 「藪の中」(1922年)
- 「河童」(1927年)
おすすめの収録作品「羅生門」(1915年)
「今昔物語集」巻二十九第十八の内容を一部に交える形で書かれた短編作品です。
羅生門の下に佇んでいる「下人」が死体から髪を抜き取っている「老婆」と出会う話。
生きるための悪という人間のエゴイズムを克明に描しています。
第12回ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞した黒澤明監督映画「羅生門」は、この「羅生門」と「藪の中」が原作です。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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有島 武郎
有島 武郎(ありしま たけお・1878-1923年)
学習院を経て札幌農学校に入り、のちハバフォード大学,ハーバード大学大学院に学びました。
ホイットマン,トルストイに傾倒し、一時期、キリスト教に入信。
1910年、武者小路実篤,志賀直哉らの「白樺」創刊に参加し、人道主義的な作品を発表。
社会主義に関心が深く、ブルジョア出身の自己との矛盾に苦しみますが、作品は社会的にも注目されました。
1923年、軽井沢で人妻と心中しました。
青空文庫の有島 武郎 収録作品
以下の作品など48作品です。
- 「カインの末裔」(1917年)
- 「惜しみなく愛は奪ふ」(1917年・評論)
- 「生れ出づる悩み」(1918年)
- 「小さき者へ」(1918年)
- 「或る女」(1919年)
おすすめの収録作品「或る女」(1919年)
多感な情熱の促すままに封建的な環境と衝突しながら自己の生き方を貫こうとし、敗れてゆく女性の姿を描いた作品。
近代的自我に目ざめた急進的な女性の悲劇を重厚な文体で描き、日本のリアリズム文学の傑作の一つとなっています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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泉 鏡花
泉 鏡花(いずみ きょうか・1873-1939年)
尾崎紅葉のもとで小説修業をし、「夜行巡査」「外科室」の2作が評価を得て、「高野聖」で人気作家に。
江戸文芸の影響を深く受け、怪奇趣味と特有のロマンティシズムで知られています。
近代における幻想文学の先駆者としても評価され、独特の文体と巧緻を尽くした作風は、川端康成、石川淳、三島由紀夫らに影響を与えました。
小説のほか、戯曲や俳句も手がけています。
青空文庫の 泉 鏡花 収録作品
以下の作品など210作品です。
- 「夜行巡査」(1895年)
- 「外科室」(1895年)
- 「照葉狂言」(1896年)
- 「婦系図」(1907年)
- 「高野聖」(1900年)
- 「歌行燈」(1910年)
おすすめの収録作品「高野聖」(1900年)
泉鏡花の短編小説。当時28歳だった鏡花が作家としての地歩を築いた作品で、幻想小説の名作といわれています。
高野山の旅僧が旅の途中で道連れとなった若者に、自分がかつて体験した不思議な怪奇譚を聞かせる物語。
僧侶が体験した超現実的な幽玄世界が独特の語彙豊かで視覚的な、体言止めを駆使したリズム感のある文体で綴られています
※オーディオブック聴き放題対象作品
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江戸川乱歩
江戸川乱歩(えどがわ らんぽ・1894-1965年)
日本の探偵小説、ホラー小説等に大きな影響を与えた小説家です。
探偵・明智小五郎が活躍する「怪人二十面相」シリーズなど少年向きのものから、「エログロ・猟奇・残虐趣味」を前面に押し出した作品まで、数々の有名な推理小説、探偵小説で人気を集めました。
また、戦後は推理小説専門の評論家としても活躍しました。
日本推理作家協会初代理事長に就任しました。
青空文庫の江戸川乱歩収録作品
以下の作品など98作品です。
- 「D坂の殺人事件」(1925年)
- 「陰獣』(1928年)
- 「孤島の鬼」(1930年)
- 「屋根裏の散歩者」(1931年)
- 「黒蜥蜴』(1934年)
- 「怪人二十面相」(1936年)
- 「少年探偵団」(1937年)
おすすめの収録作品「D坂の殺人事件」(1925年)
複雑な密室とトリックを扱い本格推理小説の代表作と言われている作品。
密室殺人事件を“私”と素人探偵“明智小五郎”が追及していきます。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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梶井 基次郎
梶井 基次郎(かじい もとじろう・1901-1932年)
結核を病みながら、鋭い感受性と強い生命力に貫かれた短編を残しました。
感覚的なものと知的なものが融合した簡潔な描写と詩情豊かな澄明な文体が特徴。
文壇に認められてまもなく、肺結核により31歳の若さででなくなりました。
死後、次第に評価が高まりました。
青空文庫の梶井 基次郎 収録作品
以下の作品など47作品です。
- 「冬の日」(1927年)
- 「冬の蠅」(1928年)
- 「桜の樹の下には」(1928年)
- 「闇の絵巻」(1930年)
- 「檸檬(れもん)」(1931年)
- 「城のある町にて」(1931年)
- 「のんきな患者」(1932年)
おすすめの収録作品「檸檬(れもん)」(1931年)
短編小説。梶井の代表作品の一つ。
得体の知れない憂鬱な心情や、ふと抱いたいたずらな感情を、色彩豊かな事物や心象と共に詩的に描いた作品。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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片岡 義男
片岡 義男(かたおか よしお・1939~)
早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、1974年、「白い波の荒野へ」で作家デビュー。
1975年、「スローなブギにしてくれ」で野生時代新人賞を受賞。以降、小説、評論、エッセイ、翻訳などの作家活動のほかに写真家としても活躍しています。
作品は「スローなブギにしてくれ」をはじめ、数多くの映画の原作となっています。
青空文庫の片岡義男収録作品
以下の作品など12作品です。
- 「彼のオートバイ、彼女の島」(1977)
- 「時差のないふたつの島」(1987年)
- 「夏と少年の短篇」(1992)
- 「波乗りの島」(1988)
- 「ラハイナまで来た理由」(2000)
おすすめの収録作品「彼のオートバイ、彼女の島」(1977)
長編恋愛小説。
音楽大学に通い、オートバイ(カワサキの650RS-W3)に乗り、アルバイトでプレスライダーをしている主人公と、瀬戸内海の離島出身の女性が、初夏の信州で知り合い、展開していく物語。
大林宣彦監督作映画の原作となりました。
小林 多喜二
小林 多喜二(こばやし たきじ・1903-1933年)
秋田県の農家に生まれ、北海道小樽育ち。
労働運動,社会主義思想に接近し,プロレタリア文学運動の地方組織に参加。「蟹工船」などの作品により、日本のプロレタリア文学運動を代表する作家となります。
1933年、地下活動中に特高警察逮捕され、東京・築地署で拷問により殺されました。
青空文庫の小林 多喜二収録作品
以下の作品など16作品です。
- 「防雪林」(1928年)
- 「蟹工船」(1929年)
- 「不在地主」(1929年)
- 「党生活者」(1932年)
おすすめの収録作品「蟹工船」(1929年)
日本のプロレタリア文学を代表する作品。
蟹工船にて、酷使される貧しい労働者たちを群像として描き、国策の名の下ではく奪される人権や労働者のストライキなどを扱っています。
国際的評価も高く、いくつかの言語に翻訳されて出版されました。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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坂口 安吾
坂口 安吾(さかぐち あんご・1906-1955年)
小説家、評論家、随筆家。「無頼派」の代表的作家といわれています。
戦後の本質を鋭く把握洞察した「堕落論」、「白痴」の発表により、一躍人気作家として表舞台に躍り出ます。
多彩な執筆活動を展開純文学のみならず、歴史小説や推理小説も執筆し、文芸や時代風俗から古代歴史まで広範に材を採る随筆など、多彩な活動をしました。
青空文庫の坂口安吾収録作品
以下の作品など488作品です。
- 「風博士」(1931年)
- 「日本文化私観」(1942年)
- 「堕落論」(1946年)
- 「白痴」(1946年)
- 「桜の森の満開の下」(1947年)
- 「二流の人」(1948年)
- 「不連続殺人事件」(1947年)
- 「夜長姫と耳男」 (1952年)
おすすめの収録作品「堕落論」(1953年)
坂口安吾の代表的評論。
「半年のうちに世相は変った」という有名な書き出しで始まる作品です。
戦後直後の日本人が自らの本質をかえりみるためには、「堕落」こそが必要だと説き、社会の反響を呼び、賛否両論を集めました。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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太宰 治
太宰 治(だざい おさむ・1909-1948年)
井伏鱒二に師事。 左翼活動での挫折後、自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、第二次世界大戦前から戦後にかけて作品を次々に発表。
戦後は、「斜陽」などで流行作家となり、傷つきやすい自我を作品化しました。
また、作風から坂口安吾、織田作之助、石川淳、壇一雄らとともに無頼派と呼ばれました。
1948年、40歳の時、玉川上水で入水自殺しました。
おすすめの収録作品「人間失格」(1948年)
「恥の多い生涯を送ってきました」との書き出しではじまる小説。
他人の前では面白おかしくおどけてみせるばかりで、本当の自分を誰にもさらけ出すことのできない男の人生(幼少期から青年期まで)をその男の視点で描く。
体裁上は私小説形式のフィクションでありつつ、主人公の語る過去には太宰自身の人生を色濃く反映したと思われる部分があり、自伝的、遺書的な小説とも考えられている。
作品完成の一か月後、太宰 治は入水自殺で自らの命を断ちました。
青空文庫の太宰 治収録作品
以下の作品など274作品です。
- 「富嶽百景」(1939年)
- 「走れメロス」(1940年)
- 「津軽」(1944年)
- 「お伽草紙」(1945年)
- 「斜陽」(1947年)
- 「ヴィヨンの妻」(1947年)
- 「人間失格」(1948年)
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谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎(たにざき じゅんいちろう・1886-1965年)
漢語や雅語から俗語や方言までを使いこなす端麗な文章と、作品ごとにがらりと変わる巧みな語り口が特徴の作家。
永井荷風とともに耽美派の作家として活躍。官能の世界を追求し、濃艶に描写しました。
昭和期に入り日本古典の伝統美への志向を強めています。
1949年文化勲章受章。
青空文庫の 谷崎 潤一郎 収録作品
以下の作品など41作品です。
- 「刺青」(1910年)
- 「痴人の愛」(1924-1925年)
- 「蓼喰ふ虫」(1928-1929年)
- 「蘆刈」(1933年)
- 「春琴抄」(1933年)
- 「細雪」(1943年)
- 「少将滋幹の母」(1949-1950年)
- 「鍵」(1956年)
おすすめの収録作品「細雪」(1943-1947年)
大阪の旧家を舞台に、4姉妹の日常生活の悲喜こもごもを綴った作品。
昭和十年代の関西の上流社会の生活のありさまを四季折々に描き込んでいます。
谷崎潤一郎の代表作であり、三島由紀夫をはじめ、多くの小説家・文芸評論家から高く評価され、しばしば近代文学の代表作に挙げられる作品です。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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田山 花袋
田山 花袋(たやま かたい・1872-1930)
1907年「蒲団」を発表、自然主義文学の代表的作品と評価され、自己を真率に告白する態度などから自然主義文学の代表作家の一人となりました。
紀行文の評価も高いです。
青空文庫の田山 花袋 収録作品
以下の作品など121作品です。
- 「蒲団」(1907年)
- 「少女病」(1907年)
- 「生」(1908年)
- 「田舎教師」(1909年)
- 「妻」(1909年)
- 「縁」(1910年)
おすすめの収録作品「蒲団」(1907年)
田山花袋の中編小説。
日本の自然主義文学を代表する作品の一つで、また私小説の出発点に位置する作品とされれています。
客観描写を利用して、主人公の作家が教え子に抱いていた赤裸々な内面感情が告白する描写があります。
蒲団に残った女の残り香をかぐ最後の場面は有名で、当時、大きな反響を巻き起こしました。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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中島 敦
中島 敦(なかじま あつし・1909-1942年)
中国の史実・古典に題材を求めた作品を書いたが夭折し、死後再評価された作家です。
漢文調に基づいた硬質な文章の中に美しく響く叙情詩的な一節が印象的で、芸術性の高い作品として知られています。
代表作は「李陵(りりょう)」「山月記」「光と風と夢」など。
青空文庫の中島 敦 収録作品
以下の作品など35作品です。
- 「山月記」(1942年)
- 「名人伝」(1942年)
- 「文字禍」(1942年)
- 「光と風と夢」(1942年)
- 「山月記」(1942年)
- 「悟浄出世」(1942年)
- 「牛人」(1942年)
- 「かめれおん日記」(1938年)
- 「弟子」(1943年)
- 「李陵」(1943年)
おすすめの収録作品「山月記」(1942年)
短編小説。中島のデビュー作。
詩に執心して、ついに虎に変身してしまった男のすさまじい宿命の姿を描いて、作者の自嘲と覚悟を語る作品。
中国唐代の伝記「人虎伝」が元となっています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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夏目漱石
夏目漱石(なつめ そうせき・1867-1916年)
明治末期から大正初期にかけて活躍した近代日本文学の頂点に立つ作家の一人です。
東大英文科卒業後,松山中学・五高などの教師を経てイギリスに留学。東大講師ののち,東京朝日新聞に入社し作家活動に専念。
自然主義に対立し、心理的手法で近代人の孤独やエゴイズムを追求。晩年は「則天去私」の境地を理想としました。
代表作は「吾輩は猫である」「坊っちゃん」「三四郎」「それから」「こゝろ」「明暗」など。
明治の文豪として日本の千円紙幣の肖像にもなりました。
青空文庫の夏目漱石 収録作品
以下の作品など110作品です。
- 「吾輩は猫である」(1905年)
- 「坊ちゃん」(1906年)
- 「草枕」(1906年)
- 「二百十日」(1906年)
- 「三四郎」(1908年)
- 「夢十夜」(1908年)
- 「それから」(1909年)
- 「門」(1910年)
- 「こころ」(1914年)
- 「明暗」(1916年)
おすすめの収録作品「こころ」(1914年)
漱石の代表作の一つ。
人間の深いところにあるエゴイズムと、人間としての倫理観との葛藤が表現されている作品。
親友を裏切って恋人を得たが、親友が自殺したために罪悪感に苦しみ、自らも死を選ぶ孤独な明治の知識人の内面を描いています。
日本において最もよく知られている文学作品の一つであり、学校の授業でもとりあげられ、数多くの映像化、漫画化、舞台化がなされています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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林 芙美子
林 芙美子(はやし ふみこ・1903-1951年)
複雑な生い立ち、様々な職業を経験した後、「放浪記」がベストセラーとなり、続く「清貧の書」で作家としての地位を確立。
清純で強い詩的感受性に貫かれ,生活の重圧を明るい自我ではねかえす庶民的生命力にあふれた「風琴と魚の町」や「牡蠣 (かき)」などで「市井もの」の新しい領域を開き、第2次世界大戦後も「晩菊」「浮雲」などの名作を残しました。
青空文庫の林 芙美子 収録作品
以下の作品など71作品です。
- 「放浪記」(1928-48年)
- 「清貧の書」(1931年)
- 「牡蠣(かき)」(1935年)
- 「晩菊」(1948年)
- 「暗い花」(1948年)
- 「浮雲」(1949~1950年)
- 「松葉牡丹」(1950年)
おすすめの収録作品「放浪記」(1928-48年)
自らの日記をもとに放浪生活の体験を書き綴った自伝的小説。
ひどい貧乏にもめげず、あっけらかんとした姿が多くの読者をひきつけ、ベストセラーとなりました。
舞台、映画、テレビドラマ化されています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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堀 辰雄
堀 辰雄(ほり たつお・1904-1953年)
室生犀星 、芥川竜之介に師事し、中野重治(しげはる)らと同人誌「驢馬(ろば)」を創刊。
近代的知性や感覚で愛や死や生をめぐる問題を作品化し、昭和文学に新風をもたらしました。
肺結核を病んで、療養生活を送り、そこを舞台にした作品も数多く残しました。
青空文庫の堀 辰雄収録作品
以下の作品など162作品です。
- 「聖家族」(1930年)
- 「燃ゆる頬」(1932年)
- 「美しい村」(1933年)
- 「風立ちぬ」(1936‐38年)
- 「かげろうの日記」(1937年)
- 「菜穂子」(1941年)
- 「大和路・信濃路」(1943年)
おすすめの収録作品「風立ちぬ」(1936‐38年)
作者本人の実体験をもとに執筆された堀の代表的作品。
軽井沢でひとり暮しをしながら物語を構想中の若い小説家の見聞と、彼が出会った少女の面影を、音楽的に構成した傑作。
死者の目を通じて、より一層美しく映える景色を背景に、死と生の意味を問いながら、時間を超越した生と幸福感が確立してゆく過程を描いています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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原 民喜
原 民喜(はら たみき・1905-1951年)
昭和11年以降「三田文学」に詩や編小説を発表。広島での被爆体験をつづった小説「夏の花」で注目されます。
1945年疎開先の広島で原爆に被災し、その体験を抑制のきいた静かな語りくちで小説「夏の花」「廃虚から」などにまとめ、注目されます。
朝鮮戦争の勃発に打撃を受け、「心願の国」残して、45歳の時に鉄道自殺をとげました。
青空文庫の原 民喜 収録作品
以下の作品など134作品です。
- 「夏の花」(1947年)
- 「廃墟から」(1947年)
- 「壊滅の序曲」(1949年)
- 「鎮魂歌」(1949年)
- 「心願の国」(1951年)
おすすめの収録作品「夏の花」(1947年)
原民喜の短編小説。(水上滝太郎賞受賞)
自身の広島での被爆体験を基に書いた作品です。
原民喜は1945年春、広島市の兄のもとに疎開したが、8月6日、原爆投下にあい被災しました。
抑制された筆致で原爆の惨状を描いています。
この作品に続いて発表された「廃墟から」「壊滅の序曲」の2作品とあわせて「夏の花三部作」と呼ばれています。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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宮沢 賢治
宮沢 賢治(みやざわ けんじ・1896-1933年)
日本文学に特異な世界を切り開いた詩人、童話作家。
岩手県の生まれ。盛岡高等農林学校卒。農民指導に献身するかたわら,宇宙感覚を持った宗教と自然科学との混じり合う想像力豊かな詩・童話を多数残しました。
その作品は生前ほとんど認められませんでしたが、没後、草野心平らの尽力により作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家となっていきました。
代表作は詩集「春と修羅」、童話「風の又三郎」「銀河鉄道の夜」など。
青空文庫の宮沢 賢治収録作品
以下の作品など276作品です。
- 「注文の多い料理店」(1924年)
- 「風の又三郎」(1924年)
- 「春と修羅」(1924年)
- 「グスコーブドリの伝記」(1932年)
- 「銀河鉄道の夜」(1934年)
- 「よだかの星」(1934年)
おすすめの収録作品「銀河鉄道の夜」(1934年)
宮沢賢治童話の代表作のひとつ。
孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする物語。
未完の作品で、研究家の間でも様々な解釈が行われています。
この作品から生まれた派生作品は数多く、これまで度々、映画やアニメーション、演劇化されてきました。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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森 鷗外
森 鷗外(もり おうがい・1862-1922年)
明治-大正時代の軍人、小説家。陸軍軍医総監を務める。
公務のかたわら明治23年「舞姫」を発表して文壇に登場。
以後、翻訳、評論、創作など多方面で精力的に活動し、浪漫主義的立場に立った日本近代文学の形成に大きく関与したといわれています。
明治40年代には反自然主義の雄として活躍、晩年は歴史小説、史伝なども執筆しました。
青空文庫の森鷗収録作品
以下の作品など136作品です。
- 「舞姫」(1890年)
- 「即興詩人」(翻訳・1892年)
- 「青年」(1910年)
- 「阿部一族」(1913年)
- 「山椒大夫」(1915年)
- 「渋江抽斎」(1916年)
- 「高瀬舟」(1916年)
おすすめの収録作品「舞姫」(1890年)
森鷗外の短編小説。高雅な文体と浪漫的な内容で、ロマンチシズムあふれる鷗外初期の代表作とされています。
1884年から5年間のドイツ留学時の体験を下敷きにして書かれました。
ドイツに留学した主人公の手記の形をとり、ドイツでの踊り子との恋愛経験を描いた作品です。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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久生 十蘭
久生 十蘭(ひさお じゅうらん・1902-1957年)
北海道函館市出身。フランスで演劇を学び、帰国後探偵小説を書き始めます。
推理小説のほか、ユーモア小説、歴史・時代小説、現代小説、ノンフィクションノベルなど多彩な作品を手掛け、博識と技巧的な文体で「多面体作家」「小説の魔術師」と呼ばれました。
青空文庫の久生 十蘭 収録作品
以下の作品など106作品です。
- 「黒い手帳」(1937年)
- 「鈴木主水 (もんど) 」(1951年)
- 「魔都」(1937年)
- 「キャラコさん」(1939年)
- 「海豹島」(1939年)
- 「顎十郎評判捕物帳」(1940年)
- 「平賀源内捕物帳」(1940年)
- 「ハムレット」(1946年)
- 「予言」(1947年)
- 「無月物語」(1950年)
- 「母子像」(1954年)
- 「あなたも私も」(1955年)
おすすめの収録作品「母子像」(1954年)
久生十蘭の短編小説。初出は「読売新聞」(1954年)。
発表の翌年、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン紙主催の第2回国際短篇小説コンクールで第一席に入選した作品です。
サイパン島で母親に絞殺されかけた過去を持つ和泉太郎。母親はサイパン島で起こった日本人大量自決の際に死んだものと思われていたが……。
※オーディオブック聴き放題対象作品
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山本 周五郎
山本 周五郎(やまもと・しゅうごろう・1903-1967年)
雑誌記者などを経て文壇に登場、庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説を数多くの作品を発表。昭和の大衆文学の大家とされ、新潮社の「山本周五郎賞」に名を残しています。
「日本婦道記」が1943年上期の直木賞に推されましたが、「もっと新しい人、新しい作品に当てられるのがよいのではないか」として辞退しています。
また、黒澤明監督の「赤ひげ」(1965年)をはじめ、映画作品も多数あります。
青空文庫の山本 周五郎収録作品
以下の作品など195作品です。
- 「青べか物語」(1960年)
- 「赤ひげ診療譚」(1958年)
- 「雨あがる」(1951年)
- 「さぶ」(1963年)
- 「日本婦道記」(1943年)
- 「樅ノ木は残った」(1954年)
- 「柳橋物語」(1946年)
- 「季節のない街」(1963年)
おすすめの収録作品「さぶ」(1963年)
江戸下町の表具店で働くさぶと栄二。男前で器用な栄二と愚鈍だが誠実なさぶは、深い友情で結ばれていた。ある日、栄二は盗みの罪を着せられる。怒りのあまり自暴自棄になり、人足寄場に流れ着く栄二。人間すべてに不信感を持つ栄二をさぶは忍耐強く励まし、支える。一筋の真実と友情を通じて人間のあるべき姿を描く時代長編。
引用元:新潮社
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夢野 久作
夢野 久作(ゆめの きゅうさく・1889-1936年)
探偵、犯罪、怪奇の領域にとらわれず、異常・狂気・神秘の世界を探求した作家。
代表作で日本三大奇書の一つ「ドグラ・マグラ」(1935)をはじめ全作が、死後33年を経てブームを呼びました。
青空文庫の夢野 久作収録作品
以下の作品など154作品です。
- 「死後の恋」(1928年)
- 「瓶詰の地獄」(1928年)
- 「空を飛ぶパラソル」(1929年)
- 「支那米の袋」(1929年)
- 「ドグラ・マグラ」(1935年)
- 「少女地獄」(1936年)
- 「人間腸詰」(1936年)
おすすめの収録作品「ドグラ・マグラ」(1935年)
構想・執筆に10年以上の歳月をかけて、1935年に刊行されました。
記憶を失った主人公が、自分の過去を求めるうちに、怪奇な世界へ迷い込む物語。
探偵小説の枠を無視し、盛りだくさんの趣向が盛り込まれた空前絶後の奇想小説です。
小栗虫太郎「黒死館殺人事件」、中井英夫「虚無への供物」と並び、日本探偵小説三大奇書に数えられています。
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青空文庫 おすすめ作家と小説(日本文学)まとめ
教科書にも載っているような日本の文豪がそろっていて、無料でいつでも読むことができるのはありがたいです。ボランティアで運営されているのには驚きです。
作家によって収録数に偏りがありますが、今回ご紹介した作家は、主要な作品がかなり収録されています。作業中の作品も数多くあり、さらに充実していくことでしょう。
作家によっては、主要作品以外にもかなりの数の作品が収録されているので、気に入った作家の作品をどんどん読み進めていくと、より楽しみが広がると思います。
また、ご紹介できなかった有名な作家もかなりいますので、色々と探してみてください。
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