ブログやサイトがコピーサイト(パクリサイト)に無断転載された時、サーバー会社に記事の削除依頼(著作物等の送信防止措置依頼)をする方法をご紹介します。
GoogleにDMCAの侵害申し立て(インデックス削除申請)を行うこともできますが、実際にコピーサイト(パクリサイト)や無断転載の記事がなくなるわけではありません。
コピーサイトの運営者が分かる場合は直接抗議すべきですが、多くの場合、連絡先が分かりません。
そうした場合、根本解決のためには、サーバー会社に無断転載記事の削除を依頼するのが一番です。
私の場合、結果的にサーバー会社がコピーサイトの運営者に連絡し、運営者が自主的にサイトを閉鎖しました。
50以上の記事を丸ごと無断転載される
私は、RSSを使って自動投稿により50以上の記事を丸ごと無断転載されました。
当サイトブログ名のタグ一覧は以下のような感じ。
コピーサイトに対しての対応の詳細は以下の記事にまとめました。
著作物等の送信防止措置とは
各レンタルサーバーのサービス上で公開中のウェブサイトで、プライバシー侵害、名誉毀損、信用毀損、商標権侵害、著作権侵害などの侵害情報が掲載されている場合、各サーバー会社は、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が作成する各ガイドラインに基づき対応します。
プロバイダ責任制限法関連情報WEBサイト
今回のようなコピーサイトの場合は著作権侵害に該当するので、サーバー会社に著作物等の送信防止措置の依頼を行うことができます。
各サーバー会社は、それぞれが独自の対応を行うわけではなく、プロバイダ責任制限法ガイドラインに則った手順で淡々と対応するのが一般的なようです。
防止措置の依頼には、プロバイダ責任制限法ガイドライン等検討協議会が策定した書式と著作権侵害行われいることを示す資料が必要です。
これが結構、手間がかかります。
無断転載記事削除(送信防止措置)を依頼する方法
無断転載記事削除(送信防止措置)を依頼する方法を、私が実際に依頼した経験を元にご紹介します。
著作物等の送信防止措置を依頼する手順
- 送信防止措置を依頼するサーバー会社を特定する
- サーバー会社の依頼先窓口を調べる
- 送信防止措置依頼書を作成
- 問題個所に関する資料を作成する
- サーバー会社に依頼書と資料を郵送する
1. 送信防止措置を依頼するサーバー会社を特定する
SEOチェキでURLサーバーからサーバーについて調べることができます。
URLを入力して「チェック」をクリックすると、サーバー会社などの情報が表示されます。
以下はエックスサーバーの例です。
結果を見てもサーバー会社がよく分からない場合は、右下のWhois をクリックすると、ネームサーバー等の詳細が分かります。
ネームサーバーを検索するなどして、サーバー会社を調べることもできます。
2. サーバー会社の依頼先窓口等を調べる
サーバー会社が特定できたら、各サーバー会社の公式サイトなどで、依頼先窓口や必要な書類等を調べます。
主なサーバー会社の権利侵害情報の削除について記載されたページは以下です。
- エックスサーバー「権利侵害情報の削除について」
- GMO(ConoHa WING・ロリポップなど)「プロバイダ責任制限法に基づくお手続き」
- mixhost「迷惑行為-不正なサイトなどの報告窓口」
- カラフルボックス「迷惑行為・不正なサイトなどの報告窓口」
3. 送信防止措置依頼書を作成
送信防止措置依頼書作成の手順と私が実際に作成した内容を紹介します。
送信防止措置依頼書のひな型を入手する
送信防止措置依頼書のひな型は、「プロバイダー責任制限法関連情報Webサイト」内の「送信防止措置手続」>「著作権関係書式(PDF)」で入手できます。
ただ、これはPDFなので使いにくいです。
auのサイトでWordをダウンロードできます。
auのサイト「プロバイダ責任制限法に基づく弊社への依頼方法」内の 著作権侵害関連の申出書式「一般申告者用」で入手できます。
私はこれを使いました。
au宛てのひな型ですが、宛先を変えると使えます。
送信防止措置依頼書を作成
実際に送った依頼書は以下です。
定型のひな型を自分のケーズに当てはめて書き換えていくだけでOKです。
住所はフィリピン在住のため、日本の実家の住所も併記しました。
〔様式A〕
【エックスサーバー株式会社
(カスタマーサービス担当)】御中
令和4年5月7日
氏 名 ******* 印
著作物等の送信を防止する措置の申出について
私は、貴社が管理する URL:【https://ideamart1.xsrv.jp/wp1/(名義:ウエブサイト情報局)】に掲載されて いる下記の情報の流通は、下記のとおり、【****】が有する【著作権法第 23 条に規定 する公衆送信権】を侵害しているため、「プロバイダ責任法著作権関係ガイドライン」に基づき、下記のとおり、貴社に対して当該著作物等の送信を防止する措置を講じることを求 めます。
1.申出者の住所 |
【(フィリピン在住) |
|
2.申出者の氏名 |
【 ****** 】 】 |
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3.申出者の連絡先 |
電話番号 |
【*********】 |
e-mail アドレス |
【*********】 |
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4.侵害情報 の特定の ための情報 |
URL |
【https://ideamart1.xsrv.jp/wp1/ 】 |
サイト名 |
【ウエブサイト情報局 】 |
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その他の特徴 |
【著作権侵害者のサイトの最初の投稿:2021年11月25日(私のサイトとは別のサイトの盗用)/ 私のサイトを盗用した最初の投稿:2021年11月26日、また個別の記事については項目番号「9」内および別紙にて説明いたします。】 |
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5.著作物等の説明 |
【侵害情報により侵害された著作物は、私が創作した著作物「ツッチーブログ(TsutchiiBlog)」です。参考として、別添資料の中で、当該著作物の写しを添付します。】 |
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6.侵害されたとする権利 |
【著作権法第23条の公衆送信権(送信可能化権を含む。) 】 |
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7.著作権等が侵害されたとする理由 |
【私は、著作物「ツッチーブログ(https://tsutchii.com/)」に係る著作権法第23条に規定する公衆送信権(送信可能化権を含む。)を有しています。 私は、「ウエブサイト情報局(https://ideamart1.xsrv.jp/wp1/)」に対して著作物「ツッチーブログ(https://tsutchii.com/)」を公衆送信(送信可能化を含む。)することに対し、いかなる許諾も与えておりません。 |
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8.著作権等侵害の態 様 |
1 ガイドラインの対象とする権利侵害の態様の場合 ■a) 情報の発信者が著作権等侵害であることを自認しているもの 2 ガイドラインの対象とする権利侵害の態様以外のものの場合 9.権利侵害を確認可 能な方法 |
上記内容のうち、5・9の項目については証拠書類を添付いたします。
また、上記内容が、事実に相違ないことを証します。
以 上
問題個所に関する資料を作成する
これが結構面倒です。
エックスサーバーの場合、公式サイトでは、以下の資料が必要と記載されています。
- 問題のウェブページをプリントアウトし、問題箇所に蛍光マーカーなどを引いて明確にしたもの2部
- 著作権の侵害にあたる場合、請求者様が権利を保持していることが確認できる資料1部
エックスサーバーに問いあわせした際、「問題の箇所を全て印刷して送付して」と言われましたが、50記事以上あって、相当な数になってしまうので、記事は一例だけをプリントし、記事を無断転載されたことを示す例をいくつか挙げて資料としました。
結果的に問題はなかったようです。
私の場合は、以下の資料を提出しました。
- 元記事と著作権侵害記事(転載記事)の比較(実例)
- 著作権著作権侵害記事(転載記事)に使われている画像のソースの例
- 著作権侵害サイトトップページで確認できる、私のサイトの記事一覧
- 著作権侵害が確認できる URL 一覧
- ドメイン所有者を明示するもの
①元記事と著作権侵害記事(転載記事)の比較(実例)
著作権侵害の一例として、1つの元記事とそれをコピーした記事をそれぞれ印刷し、記事をマーカーで囲みました。
以下は冒頭部分ですが、元の記事とコピー記事それぞれ9ページ印刷しました。
著作権侵害記事(転載記事)に使われている画像のソースの例
コピーサイトの画像が私のサイトから読み込まれていたので、その一例を挙げました。
コピーサイトの画像URLが、私のサイトの画像と同じURLになっていることを示すキャプチャー画像です。
ディベロッパーツール(F12)で表示されたソースを使いました。
著作権侵害サイトトップページで確認できる、私のサイトの記事一覧
私のブログ名がタグ付けされていたので、そのタグの記事一覧を全て印刷しました。
以下は冒頭部分ですが、実際は8ページに及びました。
著作権侵害が確認できる URL 一覧
元記事とコピー記事のURLと投稿日を一覧にしました。
エクセルで作成したものをプリントしました。
ドメイン所有者を明示するもの
以下のキャプチャー画像をプリントしました。
- 私のブログURLが記載されているドメイン会社の請求画面と契約者名
- 私のブログURLが記載されているサーバー管理画面
エックスサーバーから通知が届く
依頼書と資料を郵送して数日後、エックスサーバーの法務担当より以下の通知が届きました。
無断転載の全ての記事URLの一覧と以下の内容が記載されていました。
上記サイトについて、弊社から発信者へ送信防止措置について照会を行いましたところ、発信者が自主的に該当記事を非表示としました。弊社においても、非表示を確認いたしましたので通知いたします。
実際には、記事の削除というより、コピーサイトが閉鎖されたようで、アクセスすると403エラーとなりました。
コピーサイトを発見してからいろいろと対応してきましたが、めでたく問題解決に至りました。
ただ、たぶん運営者は軽い気持ちでやったと思いますが、こちらは余計な時間と手間をかける羽目となってしまいました。
ブログのネタにはしましたが、本当にアホらしいことです。
コピーサイトの運営者はお咎めもなく、モラルがないので、他に同じようなことをやっているのだろうと思いました。(別の記事で紹介していますが、実際に同様のサイトを作っていました。)
私はサイトの閉鎖で今回の問題は終息としましたが、まだまだ気持ちが収まらないという方には、プロバイダ責任制限法第4条に基づく「情報開示請求」を行うことができます。
ただ、こちらのほうはハードルが高いです。
個人情報が関係してくるので、事件やトラブルに発展する可能性があるためサーバー会社は慎重になるようです。
送信防止措置も依頼を行うに当たり、コチラの記事を参考にさせていただきました。
ブログをパクリ・コピーされたときはDMCAではなく「著作物等の送信を防止する措置の申出」を