「エックスサーバー」「シンレンタルサーバー」「wpX Speed」の違いって何?
3つのレンタルサーバーからどれを選んだらいいの?
以上のような質問におこたえします。
エックスサーバー社は、老舗のレンタルサーバー「エックスサーバー」に加えて、最近は「シンレンタルサーバー」、「wpX Speed」と次々と新しいブランドをスタートさせました。
どのサーバーもハイスペック、高機能でWordPressを運営するには十分なサービスです。
ただ、2つのレンタルサーバーは「エックスサーバー」をベースにしているだけあって、共通点が多く、違いが分かりにくいかもしれません。
ここでは、エックスサーバーブランド3つの違いと選ぶポイントを分かりやすく解説します。
以下は、各サーバーのおすすめポイントです。その理由も詳しくご紹介します。
この記事はWordPressサイトの制作をサポートする上で、様々なサーバーを使った経験を元にしています。
- WordPres初心者
- 安定性重視の方
- バランスのよいスペックや機能を求める方
- ネット上に情報量の多いレンタルサーバーを利用したい方
- クイックスタートを利用してWordPressを始めたい方
- 最新技術が導入されたらいち早く使いたい方
- 料金をなるべく抑えたい方
- アダルトサイトを運営したい方
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エックスサーバーブランドのwpX系サーバーの変遷について
エックスサーバーブランドの個人向けレンタルサーバーサービスは、本家の「エックスサーバー」をはじめ、wpx系の「シンレンタルサーバー」「wpX Speed」「wpXブログ」があります。
wpX系サーバーは、リニューアルや名称変更を経ており、ネットで検索すると、新しい名称と古い名称が混在しています。
wpX系サーバーは整理すると以下のような変遷があります。
wpx系のレンタルサーバーは、2013年にWordPress専用のレンタルサーバー&クラウドサービス「wpX」としてサービス提供を開始。
「wpX」は2019年以降、サービスを以下のようにリニューアルしています。
「wpXレンタルサーバー」 ⇒ 「シンレンタルサーバー」
「wpXクラウド」 ⇒ 「wpX Speed」
シンレンタルサーバー、wpX Speedは、最初はエックスサーバー社が運営していましたが、現在は、エックスサーバー社の関連会社「シンクラウド」という会社が運営しています。
エックスサーバーブランド3つの比較一覧表
各レンタルサーバーの同一価格帯プラン(月額1,000円前後)で比較しています。
※水色の箇所がサービスによって異なる部分です。
エックスサーバー | シンレンタルサーバー | wpX Speed | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | ベーシック | W1 |
サービス提供開始 | 2003年7月 | 2021年5月 | 2019年9月 |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金(1年契約時) | 1,100円 | 880円 | 2.2円/時 上限1,320円 |
ディスク容量 | 500GB | 500GB | 200GB |
ストレージタイプ | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD |
転送量 | 900GB/日 | 900GB/日 | 450GB/日 |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
データーベース数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
RAID構成 | RAID10 | RAID10 | RAID10 |
割り当てCPU(コア数) | 6コア | 6コア | 2コア |
割り当てメモリ | 8GB | 8GB | 2GB |
WEBサーバー | Apache +nginx | Apache +nginx | Apache +nginx |
HTTP/2 | 〇 | 〇 | 〇 |
KUSANAGIの高速化技術 | 〇 | 〇 | 〇 |
FastCGI | 〇 | 〇 | 〇 |
APC / OPcache | 〇 | 〇 | ー |
Xアクセラレータ | 〇 | 〇 | 〇 |
オートスケール | ー | ー | 〇 |
PHP-FPM | ー | ー | 〇 |
独自SSL | 〇 | 〇 | 〇 |
WordPress簡単インストール | 〇 | 〇 | 〇 |
WordPressクイックスタート | 〇 | 〇 | × |
自動バックアップ | 〇 | 〇 | 〇 |
サポート | 電話、メール、チャット | 電話、メール | 電話、メール |
独自ドメイン永久無料特典 | 2つ取得可 | 〇〇 | ー |
無料お試し | 〇(10日間) | 〇(10日間) | ー |
アダルトサイト | × | 〇 | × |
公式サイト | 公式サイト | 公式サイト |
エックスサーバー・初期費用完全無料化
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各エックスサーバーブランドの概要
エックスサーバー社ブランドで個人向けの3つのレンタルサーバーを紹介します。
ここでは紹介していませんが、他に法人向けの「エックスサーバービジネス」があります。
エックスサーバーとは
エックスサーバーは、
運用年数が長く、実績が豊富で、信頼度も高く、国内シェアNo.1となっています。
実際に私も7年以上、エックスサーバーの「スタンダード」を快適に使っています。
- 運用サイト数200万件で国内シェアNo.1の老舗
- 国内最速と謳っている高機能・高性能サーバー
- 安定感があると定評がある
関連記事 エックスサーバーのデメリットは4つだけ(口コミ/評判)【徹底解説】
シンレンタルサーバーとは
シンレンタルサーバー
エックスサーバーブランドの中では最も新しいレンタルサーバーです。
「エックスサーバー」で導入予定の最新システムを、先行して「シンレンタルサーバー」に導入するので、いち早く最新技術が利用できます。
また、エックスサーバーブランドの中で唯一アダルトサイトの運営が可能です。
- 「エックスサーバー」のシステムをベースとしたレンタルサーバー
- 最新技術を迅速かつ積極的に取り込んでいる
- 厳格なリソース管理で他ユーザーの影響を受けずに安定稼働
- アダルトサイトの運営が可能
関連記事 シンレンタルサーバーはコスパがいい?メリット・デメリット(口コミ/評判)
wpX Speedとは
WordPressに特化し、クラウド型であることが大きな特徴です。
- WordPress専用・クラウド型レンタルサーバー
- 時間制の料金体系
- 厳格なリソース管理で他ユーザーの影響を受けずに安定稼働
3つのサービスは何が違うか?
3つのエックスサーバーブランドの違いはざっくりで以下のような違いがあります。
サーバーの種類 | 特長 | |
---|---|---|
エックスサーバー | 共有サーバー | ・安定性に重点 ・リソースはユーザー別に管理していないが「リソース保証機能」がある。 |
シンレンタルサーバー | 共有サーバー | ・エックスサーバーの技術をベースにしている ・最新の技術導入に重点 ・リソースをユーザー別に管理 |
wpX Speed | クラウド型 | ・エックスサーバーをWordPress専用にチューニング ・リソースをユーザー別に管理 ・時間制の料金制度 |
- 共有サーバー
複数のユーザーで1台の物理サーバーを共有。
費用も複数人で分割するのでコストは割安になる傾向があります。 - クラウド型サーバー
1台の物理サーバーを複数の仮想サーバーに分け、それぞれのユーザーに専有サーバー環境を用意。リソースも自由に変更できます。
共有サーバーと比較すると費用は割高になる傾向があります。
エックスサーバーは老舗サーバーですが、シンレンタルサーバー、wpX Speedは新しいサービスで、ともにエックスサーバーの技術を元にしています。
wpX Speedは、WordPressに特化したクラウド型でサーバーで、他の2つとは明確に違います。
エックスサーバーとシンレンタルサーバーの違いが分かりにくいですが、最新技術はいち早くシンレンタルサーバーに導入し、そこで実績を積んだ技術をエックスサーバーに導入するとのことです。
そのため、シンレンタルサーバーではいち早く最新技術を利用でき、エックスサーバーでは安定性に優れたシステムを利用できるということになります。
また、シンレンタルサーバーとwpX Speedはリソースをユーザー別に厳格に管理しています。
一方、エックスサーバーは「リソース保証機能」があり、こちらも「他のユーザーの影響を受けない」としており、違いが分かりにくいですが、シンレンタルサーバーとwpX Speedがより厳格に管理しているのだと思います。
エックスサーバーブランド3つを徹底比較
同一価格帯プラン(月額1,000円前後)で比較します。
それぞれのプランは、どれも最下位のプランですが、個人でWordPressを運営するには、十分なスペック、機能を備えています。
比較するプラン
- 「エックスサーバー」⇒「スタンダード」
- 「シンレンタルサーバー」⇒「ベーシック」
- 「wpX Speed」⇒「W1」
料金を比較
料金は、シンレンタルサーバーが他と比べて安いです。
エックスサーバー | シンレンタルサーバー | wpX Speed | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | ベーシック | W1 |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
月額料金(1年契約時) | 1,100円 | 880円 | 2.2円/時 上限1,320円 |
初年度の年間費用 | 16,500円 | 10,560円 | 15,840円(上限) |
wpX Speedは時間制ですが、契約している限り料金はかかるので、使い続ける場合、実質的に1カ月1,320円と考えてよいと思います。
スペックを比較
比較表のうち水色の部分が各サーバーによって異なる部分です。
エックスサーバーとシンレンタルサーバーのスペックはほぼ同じで、wpX Speedは一部異なっています。
エックスサーバー | シンレンタルサーバー | wpX Speed | |
---|---|---|---|
プラン | スタンダード | ベーシック | W1 |
ディスク容量 | 300GB | 300GB | 200GB |
ストレージタイプ | NVMe SSD | NVMe SSD | NVMe SSD |
転送量 | 900GB/日 | 900GB/日 | 450GB/日 |
マルチドメイン | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
データーベース数 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
RAID構成 | RAID10 | RAID10 | RAID10 |
割り当てCPU(コア数) | 6コア | 6コア | 2コア |
割り当てメモリ | 8GB | 8GB | 2GB |
WEBサーバー | Apache +nginx | Apache +nginx | Apache +nginx |
HTTP/2 | 〇 | 〇 | 〇 |
KUSANAGIの高速化技術 | 〇 | 〇 | 〇 |
FastCGI | 〇 | 〇 | 〇 |
APC / OPcache | 〇 | 〇 | ー |
Xアクセラレータ | 〇 | 〇 | 〇 |
オートスケール | ー | ー | 〇 |
PHP-FPM | ー | ー | 〇 |
基本スペック
基本的なスペックのディスク容量、転送量、割り当てCPU、メモリなどは、
エックスサーバー、シンレンタルサーバーの方が、wpX Speedより優れています。
高速化対策
HTTP/2、KUSANAGIの高速化技術、FastCGI、Xアクセラレータなどの高速化対策は、3つのサービスに共通しています。
以下の部分が異なっています。
・PHP-FPM ⇒ wpX Speedで利用できる
・APC / OPcache ⇒ エックスサーバー、シンレンタルサーバーで利用できる。
PHP-FPM
Webサイトを高速・安定化させるための機能。設定を有効にすることでPHPプログラムを高速化します。
APC / OPcache
キャッシュを利用することで、PHP実行時のCPU負荷の軽減や、PHPの大幅な高速化を図るPHPの拡張モジュール。
オートスケール
アクセスが急激に増加した時にリソースが多いプランに自動で変更できる機能。リソースを増やすことで、動作やサイトの表示が安定します。
プランが上がると、そのプランを使っている間、時間単位で料金は加算されます。
オートスケール ⇒ wpX Speed利用できる
オートスケールは、爆発的なアクセスがあるサイトでないと、必要のない機能といえます。
この機能が必要かどうかでwpX Speedを使うか、他の2つのサービスを使うか判断するポイントだと思います。
wpX Speedの転送量目安は、最下位プランW1で月間13.5TB。1日当たりにする450GBです。
例えば、1ページ5MBの記事の場合、450,000MB(450GB)÷5=90,000
1日9万回表示という計算になります。
爆発的なアクセスがないと1日9万を超えることはないと思います。
ちなみに、1つ上位のプラン「W2」の転送量目安は月間18.0TBで、W1プランの約1.3倍です。
リソースの管理について
リソースの管理方法は、エックスサーバーと、他の2つのサーバーで違いますが、それぞれ一長一短があります。
リソースをユーザー別に管理(シンレンタルサーバー、wpX Speed)
シンレンタルサーバーとwpX Speedはリソースをユーザー別に厳格に管理しています。
他ユーザーの利用状況に影響されず、常に安定した環境が利用できます。
以下はシンレンタルサーバー公式サイトの解説図ですが、wpX Speedのサイトにも同様の解説があります。
ただ、ユーザーごとにメモリ制限があるので、それを超えるとメモリ不足になり、動作が低下してしまう可能性があります。
リソース保障機能(エックスサーバー)
一方、エックスサーバーは「リソース保証機能」があり、こちらも「他のユーザーの影響を受けない」としています。
違いが分かりにくいですが、シンレンタルサーバーとwpX Speedがより厳格に管理しているのだと思います。
メモリは複数利用者で共用しており、大量アクセスがある時は、そこにメモリを大きく割り振り、安定的に速度が確保できるようにしています。ユーザー別管理より柔軟性があります。
しかし、逆に同じサーバー内で大量にメモリを使用するサイトがあると、そのためにサイト表示速度が一時的に落ちる可能性があります。
WordPressクイックスタート
WordPressクイックスタート ⇒ エックスサーバー、シンレンタルサーバーで利用できる
似ていて分かりにくいのですが、エックスサーバーブランドでは、WordPressを簡単にインストールできる機能として、「WordPressクイックスタート」と「WordPress簡単インストール」の2つがあります。
「WordPress簡単インストール」は3つのサーバーで使えますが、「WordPressクイックスタート」はwpX Speedでは利用できません。
クイックスタートの流れ
「WordPreクイックスタート」は契約時、手続きの流れにそって必要事項を入力するだけで、WordPressが自動的にインストールでき、「WordPress簡単インストール」よりさらに簡単です。
この機能は、契約時にドメインも同時取得することで利用できます。エックスサーバー、シン・レンタルサーバでは、ドメイン無料特典も利用できます。
クイックスタートは初心者にはありがたい機能です。
その他 異なる点
独自SSL、自動バックアップ、サポート(電話とメール)などのサービス内容は3つのサーバーに共通です。
その他のサービスで異なる点は以下の通りです。
- 独自ドメイン永久無料特典 ⇒ エックスサーバー、シンレンタルサーバーで利用できる
- 無料お試し(10日間) ⇒ エックスサーバー、シンレンタルサーバーで利用できる
- アダルトサイト ⇒ シンレンタルサーバーで運営可能
独自ドメイン永久無料特典と無料お試しは、wpX Speedでは実施してません。
また、エックスサーバーブランドの中では、シンレンタルサーバーが唯一、アダルトサイトの運営が可能です。
アダルトサイトの運営は可能ですか?
引用:シンレンタルサーバー公式サイト「よくある質問」
はい、可能です。
ただし、無修正・児童ポルノなど、法令又は公序良俗に反する内容は禁止しております。
各サーバーはこんな方におすすめ
冒頭でも紹介しましたが、各サーバーはそれぞれこんな方におすすめです。
エックスサーバー
- WordPres初心者
- 安定性重視の方
- バランスのよいスペックや機能を求める方
- ネット上に情報量の多いレンタルサーバーを利用したい方
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